Googleが「グーグルグラスの失敗を認めた」という記事を読んだが、果たしてそうなるでしょうか?
有史以来初、日常の視界に情報が見える世界をお披露目したGoogle。
これまで散々「Googleglassは失敗だ」と言われ続け否定してきたのに、ここに来て失敗を認めたのはなぜでしょうか?
重大な欠陥も発表されていない上に、二週間前に新たな責任者がネストCEO体制に変わったばかりのGoogle。
理由は二つあると考えます。
- グーグルグラスのプライバシー問題によるネガティブイメージの払拭
- MicrosoftのIoT戦略への警戒感
おそらく予想以上にアイウェア型ウェアラブルデバイスの(盗撮されているかもしれないという)拒否反応が強く、このまま開発を進めて、この分野でトップランナーでいるとGoogleglassはアイウェア型ウェアラブル端末のネガティブアイコンとなってしまう恐れがある。
そこでまず失敗と認めることで、マイナスイメージの払拭を図ったのではないでしょうか。
もう一つは先日発表されたMicrosoftのHoloLensが描く世界。
HoloLensは屋内のモノのインターネットが楽しめるデバイス。
Googleglassは当面屋内IoT(Internet of Things)につかえるデバイスとして注力させていくのではと思います。
理由としてはこの失敗の発表の2週間前にグーグルグラス責任者が、NestLabsCEOトニー・ファデル氏にバトンタッチしたこと。
ネストは2014年グーグルが32億ドルで買収した自宅IoT開発を専門とする企業。
nestリモコンとしてのスマホからグーグルグラスへのシフトを目指していくのではないだろうか。
photo credit: Prepayasyougo
スマートホームを実現する「ネストがある生活」の未来
Youtubeでのnestのある生活プロモーション、この力の入れよう。
http://youtu.be/5nkx7Pyjf74
http://youtu.be/TwI8pn0fCKk
雪山のゴンドラ内で体験させるプロモーション。
- 興奮状態(満足度が高い)の屋内
- 待ち時間(山頂到着までの手持ち無沙汰)
何だろう?と試してみたくなりますね。
またユーモア溢れるnestのある生活動画も続々追加されています。
「nestのある生活」わんちゃんインタビュー
http://youtu.be/mDiUQmO0_VI
動画ではネストをコントロールするデバイスとしてスマートフォンが使われていますが、このポジションにGoogleglassが収まりそうです。
Googleglassがnestをコントロールするトリガーツールとなるのではないでしょうか。
グーグルグラスは020(Online to Offline)をつなぐ画期的なデバイスとしてお披露目されたわけですが、プライバシーの問題などで生活の必需品になるにはまだまだ先になるのは間違いない。
Googleglass着用者の入店拒否など、プライバシー問題で社会に広まる前から一定以上のアンチユーザーがいることは話題になっていました。
Googleのプライバシー問題はこれまでもGoogleマップのストリートビューなどありましたが、今回のように独自商品が名指しで批判されるわけではなかったので、このような問題にはなりませんでした。
グーグルグラスをクローズドIoTとしてのデバイスとしてまず人々の生活の当たり前にする戦略に舵をきったのでしょう。
先日発表されたMicrosoftのHoloLensのように、屋内IoTは基本的には限られたメンバーのみが管理できるモノのインターネットで社会に溶け込むスピードは早い。
プライバシー問題に追われて、社会に一定のアンチがいる状況を根気よく変えていくよりも、気軽につかえる場所でなくてはならないデバイス路線を進めていくはずです。
Googleglass失敗で困るのは他社ウェアラブルデバイス
この発表を受けてサムスンやソニー、テレパシーが開発しているアイウェアデバイスの動向が気になります。
アイウェア型のウェアラブル端末のトップランナーで走っていたGoogleですが、今回方針変更したことにより先駆者の轍がなくなりました。
Googleglassがプライバシー問題を解決してくれると期待していたセカンドランナーは、デバイスの技術革新よりも一番難しいプライバシー問題を解決しなくてはならなくなりました。
今回のGoogleglass失敗で一番ショックを受けているのは、アイウェア型ウェアラブル開発会社でしょうね。